途上国の温暖化と環境汚染、同時解決へ 環境省、一体型支援でCDM拡大も
今、気になっていることは「」ですがこんなニュースがあります。
温室効果ガス削減と水質汚濁などの環境汚染対策を同時に達成する取り組み「コベネフィット(相乗便益)・アプローチ」の普及に向けて、環境省が力を入れ始めた。
これをアジア支援の選択肢の一つとして育成したい考えで、新政権下の来年度予算概算要求に盛り込んだ。
途上国の温暖化対策を資金と技術面で後押しする「鳩山イニシアチブ」構想の具体化に向けた議論が始まる中で、"一体型支援"の注目度も今後高まりそうだ。
アジアの途上国は地球規模の温暖化問題に直面する一方で、急速な経済成長などを背景に深刻化する環境汚染問題への対応も急がれている。
この2つの問題を同時に解決する手法がコベネフィット・アプローチで、環境省はこの分野で主導力を発揮するための構想を温めている。
その構想とは、アジア各国と日本が協力し、一体型支援の普及を目指す連携基盤「コベネフィット・フォーラム」の構築だ。
一体型支援に合致した事業・技術の発掘から、専門家の育成に至る多様な機能を持たせる。
酸性雨問題の解決に向けて、日中韓を含むアジア13カ国が連携する「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク」が2001年に本格稼働しており、この政府間協力の仕組みに近いという。
まずは今年度内に準備会合を開く方向で検討中で、「各国間で共通認識を醸成した上でフォーラムを作る」(環境省)考えだ。
◆見返りに排出枠獲得
日本の狙いは、一体型支援を通じた国際貢献だけではない。
環境省は、その見返りとして排出枠を取得し、自国の削減量に充当するCDM(クリーン開発メカニズム)事業の拡大も視野に入れ、マレーシアとタイを舞台としたモデル事業を推進中だ。
マレーシアの事業は、ペナン州の廃棄物処分場から排出されるメタンガスを削減すると同時に、廃棄物からしみ出る排水の水質改善と悪臭発生を抑制するプロジェクト。
大気が浸透しにくい埋め立て処分場の場合、酸素がない状態で廃棄物が分解されると、二酸化炭素(CO2)に比べ温室効果が高いメタンガスが発生してしまう。
そこで環境省は、廃棄物処分場内に空気が通るようガス抜き管を設置するとともに、排水管を設けるという東急建設の事業を後押し。
この事業から生み出される排出枠の50%を日本政府に無償移転することを条件に、同省は初期投資費用の2分の1を補助することを決めた。
事業費は約5億円で、その半分を国が負担することになる。
この事業を京都議定書で認められたCDMプロジェクトとするため、現在、温室効果ガスの削減手法や計測方法を示すルール「方法論」の承認を国連審査機関から得るべく準備を進めている。
一体型支援を強く意識したCDMを方法論から組み立てるのは先駆的という。
マレーシアに限らず、経済成長が進む中国をはじめとしたアジア各国で一体型支援が求められているといえる。
一体型支援のCDM化は、温暖化防止に向けた13年以降の次期枠組み「ポスト京都」を決める国際交渉で浮上した経緯はあるが、認知度は低い。
このため、環境省はCDM化を通じて一体型支援の存在を広めたい考えで、今回の2事例に続く新たな事業の追加も計画している。
◆主導力発揮にも寄与
ポスト京都について年内の新議定書採択が困難な見通しとなる中で、先進国と途上国の対立構造を改善する途上国支援策に対する期待感が強まりつつある。
三菱総合研究所国際戦略研究グループの水田愼一(しんいち)主任研究員は「日本が(ポスト京都で)リーダーシップを発揮するためには、途上国支援基金などインパクトのある支援策が有効」と強調。
その上で、日本が得意とする環境技術を束ねてパッケージで提案することも有効と指摘する。
一体型支援については、「地味ではあるが、実は顔が見えるし現地から感謝されやすい」と評価。
既存の途上国支援メニューと現地ニーズに直結させる工夫で知恵を絞る必要性を説く。
鳩山イニシアチブ構想の中身を検討する政府のプロジェクトチームでどこまで既存メニューの議論を深めるかは現時点で不透明だが、大谷信盛・環境大臣政務官は中長期的な支援策の一つとして熱い視線を注ぐ。
「海外での削減と日本企業の成長の両面を追求できる新しいCDMスキーム」の確立が焦点となる際に、一体型支援の議論が活発化する可能性がある。
最終更新:11月2日8時15分
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